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NIPTの基幹施設と連携施設って?2つの違いを解説

NIPTの認可施設には、「基幹施設」と「連携施設」があり、それぞれ対象となる妊婦さんや、検査内容などの違いがあります。
この記事では、NIPTの基幹施設と連携施設の違いを詳しく解説します。NIPTを検討しているけれど、どうやって医療機関を選べばいいのかわからないという方は、医療機関選びの参考にしてください。

NIPTとは

NIPTとは新型出生前診断のことで、日本では2013年から導入されました。

妊娠9週〜10週以降から受けられ、妊婦さんの血液を10-20mlとり、お腹の中の赤ちゃんに染色体異常がないか検査をします。

NIPTは非確定検査ですが、検査の精度が高く、妊娠初期から受けられることが大きな特徴です。また、体への侵襲が少ないため、検査を受ける人は年々増加傾向にあります。

NIPTは非常に精度の高い検査ですが、非確定検査のため、陽性判定が出た場合は確定検査を行う必要があります。

NIPTが受けられる医療機関には種類がある

NIPTが受けられる医療機関には種類があり、「認証施設」と「非認証施設」があります。
病院を選ぶ際には、検討している施設がどちらかを確認しましょう。
ここからは、認証施設と非認証施設の違いを解説します。

認証施設とは

認証施設とは、一定の基準を満たして、NIPTを実施する施設として認証された医療機関と検査分析機関のことを言い、日本医師会の中に作られた「出生前検査認証制度等運営委員会」に認証された医療機関です。

運営委員会は、1つの視点からでなく、さまざまな立場からの視点を活かした仕組みにするため、医師だけでなく、倫理・法律の有識者や障害福祉の関係者、 患者会の関係者などの方々で構成されています。

検査の質を担保するだけでなく、正しい知識を提供したり、検査前後の不安や悩みを相談したり、意思決定についてサポートしたりできるよう、認証制度が設けられています。

非認証施設とは

非認証施設とは、出生前検査認証制度等運営委員会に認証されていない医療機関のことです。
認証されていない施設は大丈夫なの?と不安に思う方もいるかもしれませんが、もちろん違法ということはなく、検査精度も変わりはありません。また、NIPTを受けられる妊婦さんの制限がありません。

認証施設では21、13、18トリソミーの基本検査しか受けられませんが、非認証施設では1番〜22番全ての染色体を調べることができます。(医療機関によって異なります。また、検査のコースなどによって調べられる内容が異なるため、詳しくはご確認ください。)
他にも性別の告知を行なっている医療機関もあるでしょう。

認証施設の「基幹施設」「連携施設」のちがい

認証施設の中には「基幹施設」と「連携施設」がありますが、それぞれの施設で役割に違いがあります。

地域ごとに「基幹施設」と「連携施設」が連携することで、妊婦さんが十分な情報提供などのサポートを受けながら検査を受けられる仕組みです。
ここからは、基幹施設と連携施設それぞれの違いについてご紹介します。

基幹施設とは

基幹施設は、以下のような基準が設けられています。

①基幹施設には産婦人科専門医と小児科専門医が常勤(どちらかは臨床遺伝専門医の資格が必要)
遺伝に関する専門外来を設置し、①が協力して診療を行う
確定的検査絨毛検査羊水検査)を実施できる設備がある
④検査実施後の分娩までの妊娠経過の観察、妊婦の希望による妊娠中断の可否の判断及び処置を自施設において行うことが可能であり、現に行っていること
⑤出生後の児への医療やケアを実施できる、またはそのような施設と密に連携する体制を有すること

基幹施設はその特徴から、大きな病院や大学病院などがほとんどです。連携施設と常に連携しながら検査などをしているため、時には、連携施設から紹介された患者さんの検査や確定検査をすることもあります。

連携施設とは

連携施設では、下記のような基準が設けられています。

①臨床遺伝専門医または出生前検査に関する研修を修了している産婦人科医師が在籍
②NIPT検査を受けた妊婦に対する継続的な支援のために、原則として、妊婦健診と分娩の管理に対応をしていること
③NIPTの結果が陽性だったら、基幹施設へ対象の妊婦さんを紹介し、遺伝カウンセリングを実施
④NIPTの実施前後の妊婦の意思決定について、妊婦が希望する場合は小児医療の専門家の支援を受けられるようにすること

連携施設では、基幹施設よりもやや条件が緩和されています。
NIPTを受けて陽性だった場合のケアができるように体制が作られています。

NIPTを受ける前に確認しておきたいポイント

NIPTを受けるにあたり、どの医療機関を選ぼうかと悩む方もいるでしょう。
「どの医療機関を選べばいいのか事前に確認しておくべきポイントがあれば知りたい」という方のために、NIPTを受ける前に確認しておきたいポイントについてご紹介します。

受けられる妊婦さんの条件

まず確認するべきポイントは検査を受けられる妊婦さんの条件です。

これまで、NIPTを受けられる条件として、35歳以上の高齢出産であることが条件としてありましたが、2022年に認証施設でも受けられる妊婦さんの年齢制限が撤廃されました。
しかし、検査を受けられる妊婦さんを以下のような条件にしている施設もあります。

母体血清マーカー検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された妊婦
・ 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある妊婦
・ 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される妊婦
・ 胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された妊婦

このように、施設によっては依然としてなんらかの条件が提示されていたり、分娩予定の妊婦さんだけが対象だったり、予約枠が少ないなど課題が多くあります。
そのため、希望する施設で受けられるか、事前の確認が必須です。

通院の回数や距離

次に確認するべきポイントは、通院の回数や自宅からの距離です。
NIPTを受けられる時期は妊娠9週〜10週で、人によってはつわりがかなり厳しい時期で外出が難しいこともあります。
認証施設で受ける場合、事前の遺伝カウンセリングと検査日と結果通達時の3回、パートナーと揃って病院へ行かなければならないこともあります。

また、地方では認証施設が限られ、自宅から離れていたり混雑がひどく、つわりの中長い時間待たなければならないこともあるでしょう。

検査を受けたいと思える医療機関を見つけても、NIPTのために何時間も移動することは不安定な妊娠初期の体に大きな負担となります。
そのため、できるだけ自宅から近い医療機関を見つけることをおすすめします。

遺伝カウンセリングの有無

また、遺伝カウンセリングの有無も重要なポイントです。
認証施設でNIPTを受ける場合は遺伝カウンセリングが必須となっていますが、非認証施設では実施していないケースが多くあります。
陽性になった場合、相談できる専門家がいないと今後どうすればいいのか、検査の結果について相談したり、今後の方針について相談したりする機会がありません。
予想外の結果に、パニックに陥ってしまう妊婦さんもいるため、NIPTの検査の意味をよく理解してから受けられる遺伝カウンセリングは非常に重要です。

調べられる疾患

調べられる疾患についても、確認しておきましょう。
認証施設と非認証施設では、対応できるNIPTの種類が大きく異なります。
認証施設では21,13,18トリソミーの3つ(基本検査)しか受けられません。
非認証施設では、細胞の中に含まれる1~22番のすべての常染色体とXY染色体性染色体)を検査する、つまり全部の染色体のトリソミー、モノソミーといった数の異常があるかどうかがわかります。全染色体や性染色体、微小欠失など多岐にわたり調べることができます。

他にも、認証施設では、性別の判定はできませんが、非認証施設では、性別判定を行っている施設もあるでしょう。
基本検査で十分と考えるのか、性染色体など基本検査以外についても知りたいと考えているかどうかで、選ぶ医療機関が変わってきます。受けたい検査が受けられるかどうか、調べられる疾患については必ず事前に確認しておきましょう。

ミネルバクリニックでは臨床遺伝専門医の院長が対応します

ミネルバクリニックは非認証施設であるものの、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを実施しています。
また、陽性判定時のサポートもしっかり整えている施設です。

大学病院レベルの遺伝カウンセリングが受けられる

院長は臨床遺伝専門医のため、非認証施設であるものの、大学病院にしか在籍していない臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受けることができます。
専門医としての知識や経験はもちろん、患者様の気持ちに寄り添い、お話を伺います。

検査を受けるにあたって、わからないことや不安なこと、疑問点など、些細なことでもお気軽にご相談ください。
親身になってお話を伺い、不明点や疑問点について、わかりやすくご説明します。

認証施設ではわからない疾患も調べられる

ミネルバクリニックは、非認証施設のため、調べられる疾患の縛りがありません。
そのため、基本検査だけではなく、1~22番のすべての常染色体とXY染色体(性染色体)、微小欠失など100種類以上の遺伝子疾患の有無を調べることができます。
NIPTの本来の目的ではありませんが、99.9%の確率で性別も確認でき、性別の告知が受けられるのは非認証施設のみです。(2023年現在)

認証施設では性別の告知をしていませんが、ミネルバクリニックでは、全てのプランで性別の告知が可能です。

陽性判定時にもしっかりサポート

非認証施設ではメールや書面で結果を送るのみで、アフターフォローはなかったり、確定検査を受ける病院を自分で探さなければならないケースもあります。
もし、非認証施設で陽性になっても、その後の検査を受け入れてくれる医療機関は多くありません。

ミネルバクリニックで陽性が出た場合、確定検査を受けられる病院の紹介も行っており、羊水検査の費用も最大15万円まで補助しています。
また、検査後不安になってしまう妊婦さんのために、24時間いつでもつながる相談窓口を用意しています。陽性判定後の相談は常に無料です。
陽性判定後は冷静な判断ができなくなってしまう方もいますが、当院がしっかりサポートします。

まとめ

NIPTは、妊娠初期の9週〜10週から検査が受けられ、妊婦さんの採血のみで検査の結果がわかるため、多くの医療機関で実施されています。
しかし、遺伝カウンセリングをせず検査を受ける方や、陽性判定後のサポートがなく不安な日々を過ごす方などがいらっしゃいます。

安心して検査を受けるためにも、遺伝カウンセリングの有無や陽性判定後のアフターサポートなど、体制がしっかりと整っている医療機関を選びましょう。

地方在住の妊婦さんは、検査を受けるにも医療機関が少なかったり、病院までの距離が遠かったりと、医療機関選びが難しい方もいるでしょう。

ミネルバクリニックは東京都にありますが、オンラインの診療にも対応しております。
オンライン診療でも通院でもすべての妊婦さんにより良い環境の中でNIPTを受けていただけるよう医師、スタッフ一同尽力してお待ちしています。

悩んでいる方は一度ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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