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NIPTは産科で受けられる?検査の内容と病院選びのポイント

NIPTとは、お腹の赤ちゃんの染色体を調べられる出生前診断の1つで、数ある検査の中でも妊娠初期に受けられることなどの理由から近年注目されている検査です。NIPTについて調べると、産婦人科だけでなく他の診療科のクリニックなどでも受けられることが分かります。
妊娠をしたら受診をするのは産婦人科ですが、NIPTは他の科でも受けられるの?と疑問に思った方は多いのではないでしょうか。そして全ての産婦人科でNIPTを実施していないことも、疑問に思うかもしれません。

この記事では、NIPTを受けられる施設について解説し、NIPTの検査内容や病院選びのポイントもお伝えします。
妊娠を希望する方やNIPTを検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

NIPTとは

NIPTとは母体の血液を採取することで、お腹の赤ちゃんに染色体の異常がないかを調べる出生前診断です。

出生前診断には「確定診断」と「非確定診断」の2種類があり、NIPTは非確定診断に属しています。
非確定診断にはNIPTのほかに母体血清マーカーコンバインド検査がありますが、いずれもスクリーニング検査という位置づけで結果が確定するものではありません。
陽性の結果が出た場合、確定診断である羊水検査絨毛検査を受ける流れになるのが一般的です。

妊娠初期から受けられる出生前診断の1つ

NIPTが受けられるのは妊娠9週以降です。
ほかの非確定検査の母体血清マーカーやコンバインド検査が受けられるのは妊娠11週以降となっています。
NIPTは非確定検査の中でも、早期から受けられる検査なのです。早期に受検できるため、陽性の結果が出た場合に結果を受け止める時間が多くとれます。
ほかのメリットとして、NIPTの検査方法が母体の採血のため、強い痛みを感じたり、感染のリスクや流産・早産の危険性がなかったりすることがあげられます。

しかし、NIPTの結果が陽性の場合は、確定診断が必要となります。これは、非確定診断であるNIPTはあくまでスクリーニング検査で確定診断ではない、というのが理由です。

NIPTでわかること

NIPTで検査ができる項目は、基本検査、全染色体検査、微小欠失検査です。
染色体には1~22番の番号がついており、基本検査では13番目、18番目、21番目を検査します。
常染色体は2本で1対となっていますが、染色体異常では3本で1対となっています。
この状態を「トリソミー」と呼び、21番目の場合「21トリソミー」となります。
染色体異常のなかで最も頻度が高いのが、21トリソミーいわゆるダウン症候群です。

全染色体検査はすべての染色体異常の有無を調べる検査です。基本検査で調べる13,18,21番目以外の染色体にトリソミーがある場合、出産を待たずに胎児が死亡するケースが多いといわれています。

微小欠失検査は、染色体の一部が欠けていないかを調べる検査です。微小欠失症候群は、ほかの染色体異常と比べると発生率は低いとされています。

この後の項目でNIPTを受検する施設について詳しく解説しますが、受検する施設によっては検査ができる項目が限られます。

NIPTは産科で受けられる?

NIPTを希望して産婦人科を受診しても、NIPTを実施している産婦人科でなければ検査は受けられません。

NIPTを実施している施設には大きく分けて2種類あり、大学病院などの大きな病院は「認証施設」としてNIPTをおこなっている場合があります。しかし、個人の産婦人科だとNIPTを実施していない施設も多いため、他の施設を紹介をされるケースもあります。

NIPTを受けられる医療機関

NIPTを実施している医療機関には「認証施設」と「非認証施設」の2種類があります。

この違いは、日本医師会が運営している「出生前検査認証制度等運営委員会」が認証しているかどうかの違いです。
どちらの施設で受検しても、NIPTの検査の精度に違いはありません。 

認証施設とは

認証施設とは、日本医師会の中に作られた「出生前検査認証制度等運営委員会」に認証された施設です。認証施設は「基幹施設」と「連携施設」に分かれています。
基幹施設はNIPTはもちろん、陽性であった場合の確定検査や分娩まで可能な施設となっています。連携施設は、確定診断は基幹施設に依頼するなどの連携をとってNIPTを実施している施設です。

認証施設にはいくつかの決まり事があります。
まず、認証施設には臨床遺伝専門医遺伝カウンセラーの在籍が義務付けられています。NIPTを受ける際は2回の遺伝カウンセリングを受けることも必須条件です。
遺伝カウンセリングはパートナー同伴が条件の施設も多く、通院は検査前の遺伝カウンセリング、検査、結果通知と遺伝子カウンセリングの3回です。
ほかに検査対象かどうかの条件も決まっており、対象者でなければ認証施設でのNIPTは受けられません。
検査内容は、13,18,21トリソミーを調べる基本検査のみです。

認証施設でのNIPTを希望しても、予約枠が少ないため予約がとれない、NIPTの検査対象に当てはまらない、同伴するパートナーとカウンセリングの予定が合わないなどの理由で断念するケースもあります。

非認証施設

非認証施設というと違法な施設なのでは?と思う方もいるかもしれません。
非認証施設は、出生前検査認証制度等運営委員会に認定されていない施設というだけで違法ではなく、NIPTの検査精度も認証施設と変わりません。認証施設と比較して、自由度が高いことが特徴です。
NIPTを受ける際の条件が決まっていない、オンライン診療などを取り入れている施設がある、基本検査以外の検査を受けられる、などのメリットがあります。

しかし、非認証施設のなかには遺伝専門医が在籍していない美容クリニックや内科などもあります。
それらの施設では、遺伝カウンセリングが受けられない、陽性となった場合に確定診断を受ける施設を自分で探さないといけない、などのデメリットがあります。
非認証施設の中にも遺伝専門医が在籍していて、アフターフォローがしっかりしている施設ももちろんあります。
非認証施設を選択する場合は、メリット・デメリットを理解した上で、施設選びをしっかりとしていきましょう。

NIPTを受ける病院選びのポイント

NIPTを受ける病院を選ぶポイントは3つあります。
どれも重要なポイントとなっているので、病院選びの際の参考にしてください。

自宅からの距離

NIPTを受ける時期は、妊娠初期である妊娠9週以降です。
妊娠初期はつわりがはじまる時期で、母体も赤ちゃんもまだ安定していません。遠方への通院は、妊婦さん、赤ちゃんともに負担が掛かります。もし検査を希望している方が2人目妊娠中の場合、妊娠初期の安定していない体で上のお子さんと一緒に通院することになるため、負担を考えると近隣の施設での検査がおすすめです。

非認証施設のなかには、オンライン診療をおこなっている施設もあります。オンラインでしっかりとした説明が受けられ、通院回数も少なくできます。近くにNIPTを受検できる施設がない、つわりがあって外出が難しい、子どもを連れての受診はハードルが高いなど、さまざまな理由からNIPTをあきらめようと思っている方がいるかもしれません。
オンライン診療をおこなっている施設を候補の1つに考えてみるのもおすすめです。

遺伝カウンセリングや専門家の有無

認証施設はNIPTを受ける際、必ず遺伝カウンセリングを受けることが決まっています。
しかし、非認証施設のなかには遺伝の専門家が在籍していなく、遺伝カウンセリングを実施していない施設があります。

遺伝カウンセリングがなぜ必要か?その理由は、結果が陽性だった場合に妊婦、パートナーが結果を受け入れられない場合があるからです。
事前のカウンセリングを通じて遺伝と疾患について理解を深めておく、検査や結果に対しての気持ちを整理しておく、陽性だった場合にどうするかを決めておくことで、陽性の結果を受けてもパニックに陥ることが少ないのです。
陽性の結果が出た後も遺伝カウンセリングを受けることで、気持ちを整理して今後のことを考えることができます。
受検を検討している施設に臨床遺伝専門医や遺伝カウンセラーが在籍しているか、遺伝カウンセリングはおこなわれているかは重要となるため必ず確認しましょう。

アフターフォローの内容

NIPTの結果が陽性だった場合、一般的な流れとしては確定診断を受けることになります。
認証施設は基幹施設であれば同じ施設で、連携施設であればその施設もしくは基幹施設に紹介されて確定診断を受けることになるでしょう。
しかし、非認証施設のなかには、自分で確定診断を受ける施設を探さなくてはいけないケースがあります。

結果を受けて気持ちが安定していない状態での施設探しは大変です。
陽性結果が出た後の確定診断はその施設で受けられるのか、提携先があるのかについて事前に確認をしましょう。
そして、羊水検査などの確定診断を受ける場合、費用が追加でかかります。
多くは10~20万円の追加費用となりますが、施設によっては追加費用がかからず確定診断を受けられたり、費用の補助がある場合もあります。

アフターフォローの内容は、確定診断、料金以外にも施設によってさまざまな内容があります。
受検を希望する施設のアフターフォローの内容を確認し、自身が希望する体制であるかを確認しましょう。

ミネルバクリニックのNIPT

ミネルバクリニックは非認証施設ですが、認証施設同様に認定臨床遺伝専門医によるカウンセリングが受けられるクリニックです。
ほかにも妊婦さん、パートナーの希望に合わせた診療メニューが豊富にあり、NIPTが受けられる施設のなかでもクオリティ、自由度ともに高いクリニックとなっています。

NIPTを受ける病院選びのポイントで紹介したポイントを踏まえて、ミネルバクリニックが選ばれる理由はこちらです。

1 オンラインで全国の患者さんに対応。
2 臨床遺伝専門医による安心の遺伝カウンセリング
3 充実したアフターフォロー

非認証施設であるからこそ、妊婦さん、パートナーの気持ちに寄り添ったNIPTの提供ができることがミネルバクリニックの強みとなっています。

オンラインで全国の患者さんに対応

NIPTを希望する方の中には、近くにNIPTを実施している施設がない、つわりがひどい、小さな子どもを連れて遠方への受検が難しいなどの理由でNIPTを諦めようと思っている方がいるかもしれません。

ミネルバクリニックでは、そのような理由でNIPTを諦めてほしくないという思いから、オンライン診療をおこなっています。オンライン診療であっても検査のクオリティは変わらず、安心してNIPTを受けることができます。

オンライン診療の流れは、最初にオンラインで遺伝カウンセリングを受け、その後ご自宅近くの医療機関で採血をします。
ご自宅のゆったりとした環境でカウンセリングが受けられるため、体調にも配慮でき、プライバシーを気にすることなくさまざまな疑問を解決することができます。
また、検査も自宅近くの医療機関で受けられるので、遠方まで受診する必要がなく妊娠初期の妊婦さんの体に負担がかかりません。

臨床遺伝専門医による安心の遺伝カウンセリング

ミネルバクリニックは非認証施設ですが、認定臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けることができます。
院長は認定臨床遺伝専門医として大学病院での豊富な経験をもつ遺伝子のエキスパートであり、3児の母でもあります。専門的なサポートはもちろん、同じ母として妊婦さんの気持ちに寄り添ったカウンセリングを提供しています。
ミネルバクリニックでは、陽性判定が出た場合のカウンセリングに回数の制限はありません。陽性結果を受け止めて先に進めるよう、何度でもカウンセリングを受けていただくことができます。

充実したアフターフォロー

ミネルバクリニックのアフターフォローは3つあります。

・確定診断の費用の負担
・確定診断を受ける施設の紹介
・24時間対応可能な電話相談

結果が陽性だった場合、確定診断を受ける費用を15万円まで負担します。NIPTで高額な料金がかかり、更に確定診断の料金が掛かるとなると金銭的な負担は大きくなります。
確定診断は10~20万円が相場なため、15万円の補助があることで大きな出費がなく確定診断を受けられます。

また、確定診断を受ける施設も、ミネルバクリニックより信頼できる施設を紹介します。
陽性結果が出て精神的に安定しないなか、施設選びは困難です。妊婦さんの希望に沿った施設を紹介します。

そして、陽性結果を受けられた方には認定臨床遺伝専門医である院長の連絡先をお渡ししています。この制度は、陽性結果を受けて不安な気持ちの妊婦さんに寄り添いたいという院長の意向からはじまりました。
「夜中でも不安なら電話をかけてきてほしい」という思いで、24時間いつでも対応が可能です。

まとめ

NIPTは産科で受けられるのか?という疑問から、NIPTについて、NIPTが受けられる施設についての解説をしていきました。

NIPTを受ける施設選びをする際に重要なポイントである距離、カウンセリング、アフターフォロー。どれも大切なポイントとなってきます。
NIPTは採血だけで検査が終了しますが、その結果は命の重さです。遺伝カウンセリングを受けずに軽い気持ちで検査を受けて、陽性の結果を受けた場合のショックは計り知れません。
手軽に受けられる検査であるからこそ、その検査の重要性を考え、専門家としっかりと相談することが大切です。
NIPTを受ける妊娠初期は、妊婦さんの体も赤ちゃんもまだ安定しない時期です。体と心への負担が少なくすむよう、施設選びをしていきましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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