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検査の概要
小眼球症(Microphthalmia)、無眼球症(Anophthalmia)、眼球コロボーマ(Coloboma)(MAC)は関連する先天性眼奇形のグループで、単独で発生することも、症候群の一部として発生することもあります。この検査はこれらの状態に関連する遺伝子変異を特定するための包括的な遺伝子パネル検査です。
対象となる疾患について
これらの疾患は以下のように特徴づけられます:
- 小眼球症(Microphthalmia):片方または両方の眼球が異常に小さい状態で、完全に欠損しているように見える場合があります。
- 無眼球症(Anophthalmia):眼球が形成されない状態です。
- 眼球コロボーマ(Coloboma):眼裂の閉鎖不全によって特徴づけられ、MACの状態の中で最も一般的です。
これらの状態は、小児の視覚障害や失明の重要な原因となっています。発生率は出生10万人あたり約6〜13例と推定されています。
検査の対象者
以下のような方々に適しています:
- MACの個人歴または家族歴がある方
- 片方または両方の眼球が小さい、異常、または欠損している状態で生まれた乳児
- 診断の確定または遺伝的リスク評価を求める家族
検査に含まれる遺伝子
この検査パネルには、症候性および非症候性の眼所見に関連する104の遺伝子が含まれています。主な遺伝子には以下が含まれます:
特に重要な遺伝子
- SOX2 – MACの最も一般的な遺伝的原因の一つで、症例の20〜40%を占めます
- OTX2 – 重度の両側性の症例で一般的に見られる遺伝子
- PAX6 – 眼の発達に重要な役割を果たす遺伝子
- ALDH1A3 – 特に血族婚家族での小眼球症/無眼球症の頻繁な原因
- MAB21L2 – 眼のコロボーマ、小角膜、白内障に関連する遺伝子
検査パネルに含まれる全遺伝子リスト(104遺伝子)
※この遺伝子リストは、小眼球症・無眼球症・眼球コロボーマ(MAC)検査パネルに基づいています。最新の情報については、医療専門家にご確認ください。
このパネルは、最新の次世代シーケンシング(NGS)技術を使用して、これらの遺伝子における変異を特定します。
検査のメリット
- 正確な診断:遺伝的原因を特定することで、より正確な診断が可能になります
- 家族計画の支援:将来の妊娠における再発リスクの評価に役立ちます
- 関連する症候群の特定:約20〜45%のケースが既知の症候群の結果であり、早期発見が重要です
- 個別化された医療管理:結果に基づいて適切な医療フォローアップを計画できます
注意事項: この検査は医療専門家の指示の下で行われるべきです。検査結果の解釈には、遺伝カウンセリングが推奨されます。
検査の制限事項
すべてのシーケンシング技術には限界があります。この検査について、以下の制限事項を理解しておくことが重要です:
- この分析は次世代シーケンシング(NGS)によって行われ、主にコーディング領域とスプライシング接合部を調べるために設計されています。
- 次世代シーケンシング技術とバイオインフォマティクス解析は擬遺伝子配列や高度に相同な配列の影響を大幅に減少させますが、これらが時々シーケンシングや欠失/重複解析における病原性変異アレルを同定する技術的能力を妨げることがあります。
- 低品質スコアの変異や範囲標準を満たすためにサンガーシーケンシングが使用されます。
- 欠失/重複解析(オプション)では、全遺伝子を含むゲノム領域や2つ以上の連続するエクソンのサイズの変化を特定できますが、単一エクソンの欠失または重複は時々確認されますが、この検査では日常的に検出されないことがあります。
遺伝子個別情報(Gene Specifics)
遺伝子 | 備考 |
---|---|
ZIC2 | 現在の検査方法では、この遺伝子の三塩基繰り返し拡張を評価していません。 |
検査の流れ
- 医師との相談
- サンプルの採取(血液、唾液、頬粘膜細胞のいずれでも検査可能)
- 次世代シーケンシング技術を用いた遺伝子解析
- 結果の解釈と報告
- 結果に基づく追跡相談と管理計画
ミネルバクリニックでの検査について
ミネルバクリニックでは、この包括的なMAC遺伝子パネル検査を提供しています。
検査費用
MAC遺伝子パネル検査 | 275,000円(税込) |
遺伝カウンセリング料 (30分) | 16,500円(税込) |
検査所要時間 | 3~5週間 |
※本検査は保険適用外です。