多小脳回症(ポリマイクロジリア)NGS遺伝子検査パネル|ミネルバクリニック
多小脳回症とは
多小脳回症(ポリマイクロジリア、Polymicrogyria)は、出生前の脳の発達において大脳皮質の異常な層構造と過剰な折り畳みパターンを特徴とする大脳皮質形成異常症です。通常の脳の表面には適度な数の脳回(gyri)と呼ばれる隆起がありますが、多小脳回症では病的に小さな脳回が過剰に形成されます。
この疾患は脳の全体に影響を及ぼすこともあれば、一部分だけに影響することもあります。片側性(unilateral)の場合は脳の片側のみが影響を受け、両側性(bilateral)の場合は両側が影響を受けます。症状の重症度や種類は、脳のどの領域が影響を受けているかによって大きく異なります。
多小脳回症は大脳皮質形成異常の中で最も頻度の高い疾患の一つであり、てんかんや知的障害を伴うことが多いです。発症時期は胎生期、特に妊娠17週から26週頃の神経細胞移動の終了期から皮質構築の初期段階で生じると考えられています。現在のところ根本的な治療法はありませんが、適切な発達療法やリハビリテーションプログラムにより、患者さんの生活の質を改善することが可能です。
症状と病態
多小脳回症の主な症状は、影響を受けている脳の範囲と部位によって大きく異なります。軽度の症例では無症状または軽度の神経学的症状のみを呈することもありますが、重度の症例では重篤な神経学的障害を伴います。
主要症状
- てんかん発作(最も一般的な症状、患者の50~85%に認められる)
- 発達遅滞(運動発達、言語発達の遅れ)
- 知的障害(軽度から重度まで様々)
- 筋緊張の異常(低緊張または痙性)
- 言語障害・構音障害
- 嚥下障害・摂食困難
- 運動麻痺(片麻痺、四肢麻痺)
- 斜視(内斜視が多い)
- 小頭症
多小脳回症の病型による特徴
多小脳回症は、影響を受ける脳の部位によっていくつかの病型に分類され、それぞれ特徴的な症状パターンを示します:
- 片側性限局性多小脳回症:最も軽度の病型で、脳の片側の限られた領域のみが影響を受けます。軽度のてんかん発作のみで、薬物療法でコントロール可能なことが多く、無症状の場合もあります。
- 両側シルビウス裂周囲多小脳回症(BPP):最も頻度の高い病型(全体の約80%)で、両側のシルビウス裂周囲の皮質が肥厚し異常な折り畳みを示します。顔面・咽頭・舌の筋肉の障害(偽性球麻痺)、嚥下障害、構音障害、よだれ、てんかん、軽度から中等度の知的障害を特徴とします。
- 両側前頭頭頂部多小脳回症(BFPP):前頭葉から頭頂葉にかけて対称性に多小脳回が分布します。全般的な発達遅滞、内斜視、錐体路徴候、小脳徴候、てんかんを特徴とし、小脳や脳幹の萎縮を伴うことがあります。
- 両側全般性多小脳回症(BGP):最も重症な病型で、脳全体が影響を受けます。重度の知的障害、運動障害、コントロール困難なてんかん発作を引き起こします。
てんかんについて
てんかんは多小脳回症の最も一般的な合併症で、患者の約50~85%に認められます。てんかん発作の発症時期、種類、重症度は様々で、生後1年以内に発症する症例が約半数を占めます。一部の重症例では点頭てんかん(ウエスト症候群)を呈することもあります。
進行と予後
多小脳回症は非進行性の疾患ですが、てんかん発作の頻度や重症度、発達の遅れの程度は個人によって大きく異なります。軽度の症例では正常またはほぼ正常な神経学的発達を示すこともありますが、重度の両側性病変を持つ患者では重篤な神経学的障害が生涯にわたって持続します。
遺伝形式と原因遺伝子
多小脳回症は遺伝学的に非常に多様性が高く、常染色体優性(顕性)遺伝、常染色体劣性(潜性)遺伝のいずれの形式でも発症します。現在までに50以上の原因遺伝子が同定されていますが、多くの症例では遺伝学的原因が特定されていません。
遺伝性要因
遺伝子変異による多小脳回症には、単一遺伝子の変異によるものと、染色体の欠失や再構成によるものがあります。遺伝子変異は散発的に生じることもあれば、家族性に遺伝することもあります。
環境性要因
多小脳回症の原因として、遺伝子変異以外に以下のような環境要因も知られています:
- 妊娠中の感染症:サイトメガロウイルス(CMV)、トキソプラズマ症、風疹ウイルスなど
- 胎内虚血:胎児への酸素供給不足
- 代謝異常:ペルオキシソーム病など
主要な原因遺伝子
多小脳回症に関連する遺伝子は、主に神経発達、細胞骨格、細胞接着などに関与するタンパク質をコードしています:
- ADGRG1遺伝子(GPR56とも呼ばれる):両側前頭頭頂部多小脳回症(BFPP)の原因遺伝子として最初に同定されました。常染色体劣性遺伝形式をとり、大脳皮質の外層の正常な発達に重要な役割を果たしています。
- チューブリン遺伝子群(TUBA1A、TUBA8、TUBB2B、TUBB3):微小管を構成するタンパク質をコードし、神経細胞の移動と皮質構築に重要です。これらの遺伝子の変異は「チューブリノパチー」と総称され、様々な脳形成異常を引き起こします。
- SRPX2遺伝子:X連鎖遺伝形式をとり、両側シルビウス裂周囲多小脳回症に関連しています。
- KIF1BP遺伝子:細胞内輸送に関与する遺伝子です。
遺伝形式
多小脳回症の遺伝形式は原因遺伝子によって異なります:
常染色体劣性(潜性)遺伝:ADGRG1遺伝子変異による両側前頭頭頂部多小脳回症(BFPP)などが該当します。両親がともに保因者である場合、子どもが疾患を発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%、正常である確率は25%です。
常染色体優性(顕性)遺伝:一部のチューブリン遺伝子変異などが該当します。変異を持つ親から子どもに遺伝する確率は50%です。
X連鎖遺伝:SRPX2遺伝子変異などが該当します。男性が主に影響を受けますが、女性保因者でも軽度の症状を呈することがあります。
ミネルバクリニックの多小脳回症遺伝子パネル検査の特徴
「多小脳回症 NGSパネル検査」とは、現在多小脳回症の原因として報告されている7つの遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。
従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。
何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、多小脳回症に関連する7遺伝子を一度に調べられる「多小脳回症 NGSパネル検査」を採用しています。
一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。
1.費用がリーズナブル
一般的な医療機関で多小脳回症の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。
当院では、多小脳回症に関係するとされる7つの遺伝子を一度に調べられる「多小脳回症 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)
2.結果が出るまでがはやい
一般的な医療機関で行える多小脳回症の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。
当院で行う「多小脳回症 NGSパネル検査」の場合、7つの遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。
3.一気にまとめてできる
臨床症状やMRI所見から多小脳回症を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。
当院で行う「多小脳回症 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な7つの原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。
オプション
塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)
検査内容
「多小脳回症 NGSパネル検査」では、多小脳回症に関係するとされる7種類の遺伝子(ADGRG1、KIF1BP、SRPX2、TUBA1A、TUBA8、TUBB2B、TUBB3)をまとめて検査します。
「多小脳回症 NGSパネル検査」は、多小脳回症の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。
どんな人が受けたらいいの?
【多小脳回症の個人歴または家族歴のある方】に
「多小脳回症 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。
この検査は以下のような方に適しています:
・MRI検査で多小脳回症と診断された方
・大脳皮質形成異常が疑われる方
・てんかん発作(特に難治性)がある方
・発達遅滞・知的障害がある方
・言語発達の遅れや構音障害がある方
・嚥下障害・摂食困難がある方
・運動発達の遅れがある方
・筋緊張異常(低緊張または痙性)がある方
・小頭症と診断された方
・多小脳回症または大脳皮質形成異常の家族歴がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方
このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。
検査で得られる患者さんの潜在的利益は?
遺伝子検査により原因が判明すると、多小脳回症の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。現在のところ多小脳回症には根本的な治療法はありませんが、原因遺伝子が判明することで以下のような利益が得られます。
遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・他の大脳皮質形成異常や神経疾患との鑑別
・てんかん発作の適切な薬物療法の選択
・発達支援・療育プログラムの個別化
・言語療法、作業療法、理学療法の適応判断
・嚥下障害への適切な対応と栄養管理
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供
患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式に応じて家族の発症リスクが異なります。常染色体劣性遺伝の場合は兄弟姉妹が発症するリスクは25%、常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症するリスクは50%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。
対象遺伝子
- 詳しくはこちら
-
ADGRG1, KIF1BP, SRPX2, TUBA1A, TUBA8, TUBB2B, TUBB3 ( 7遺伝子 )
各遺伝子の詳細:
・ADGRG1遺伝子(GPR56):
接着Gタンパク質共役受容体G1をコードする遺伝子。両側前頭頭頂部多小脳回症(BFPP)の原因遺伝子として最初に同定されました。大脳皮質の正常な発達、特に神経細胞の移動と皮質層構造の形成に重要な役割を果たしています。常染色体劣性遺伝形式をとり、変異により全般的発達遅滞、内斜視、錐体路徴候、小脳徴候、てんかん発作を引き起こします。
・KIF1BP遺伝子:
キネシンファミリーメンバー1結合タンパク質をコードする遺伝子。細胞内輸送に関与し、神経細胞の発達と機能維持に重要です。
・SRPX2遺伝子:
シリン関連タンパク質X2をコードする遺伝子。X連鎖遺伝形式をとり、両側シルビウス裂周囲多小脳回症(BPP)に関連しています。神経細胞の移動と皮質発達に関与し、変異により言語障害、てんかん、知的障害を引き起こすことがあります。
・TUBA1A遺伝子:
αチューブリン1Aをコードする遺伝子。微小管の主要構成タンパク質で、神経細胞の移動、軸索伸長、皮質構築に不可欠です。常染色体優性遺伝形式をとることが多く、変異により多小脳回症、滑脳症、小脳形成不全などの様々な脳形成異常を引き起こします。典型的には重度の発達遅滞、てんかん、筋緊張異常を伴います。
・TUBA8遺伝子:
αチューブリン8をコードする遺伝子。TUBA1Aと同様に微小管の構成要素で、神経発達に重要な役割を果たします。変異により多小脳回症や皮質形成異常を引き起こすことが報告されています。
・TUBB2B遺伝子:
βチューブリン2Bをコードする遺伝子。αチューブリンと対をなして微小管を形成します。常染色体優性遺伝形式をとり、変異により多小脳回症、大脳皮質形成異常、視神経形成不全などを引き起こします。てんかん、発達遅滞、運動障害が一般的な症状です。
・TUBB3遺伝子:
βチューブリン3をコードする遺伝子。神経細胞に特異的に発現し、軸索誘導と神経回路形成に重要です。常染色体優性遺伝形式をとり、変異により多小脳回症のほか、先天性眼球運動障害、顔面神経麻痺、末梢神経障害などの複合的な神経障害を引き起こすことがあります。
カバレッジ
カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。
≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。
検体
血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)
※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。
検査の限界
- 詳しくはこちら
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すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。
低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。
この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。
※この検査パネルでは、7つの原因遺伝子のみを対象としています。多小脳回症は遺伝学的に非常に多様性が高く、50以上の遺伝子が関連していることが知られています。また、環境要因(妊娠中の感染症、胎内虚血など)が原因の症例も多く存在します。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。
結果が出るまでの期間
2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。
料金
税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)
よくあるご質問
- どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
- てんかん発作、発達遅滞、言語発達の遅れ、嚥下障害、運動発達の遅れなどがある方におすすめします。特にMRI検査で大脳皮質の異常な折り畳みや肥厚が認められた場合は、多小脳回症の可能性が高くなります。また、家族に同様の症状や大脳皮質形成異常がある場合も検査をご検討ください。
- 検査はどのように行いますか?
- 血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
- 多小脳回症の治療法はありますか?
- 現在のところ根本的な治療法はありませんが、症状に応じた対症療法が可能です。てんかん発作には抗てんかん薬を使用し、発達遅滞には早期療育プログラム、言語障害には言語療法、嚥下障害には摂食嚥下訓練や栄養管理などを行います。遺伝子検査により原因が判明することで、より個別化された管理方針を立てることができます。
- 家族も検査を受ける必要がありますか?
- 遺伝形式によって家族の発症リスクが異なります。常染色体劣性遺伝の場合、両親は無症状の保因者であることが多く、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。常染色体優性遺伝の場合、患者さんのお子さんが発症するリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
- 検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
- 多小脳回症は遺伝学的に非常に多様性が高く、50以上の遺伝子が関連していることが知られています。この検査パネルでは7つの主要な遺伝子のみを対象としているため、検査で病原性変異が検出されなくても、他の遺伝子に変異がある可能性や、環境要因が原因である可能性があります。臨床症状とMRI所見に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
- てんかん発作のコントロールは可能ですか?
- 多小脳回症に伴うてんかん発作の治療反応性は個人差が大きいです。軽度の症例では抗てんかん薬により発作を良好にコントロールできることが多いですが、重度の両側性病変を持つ患者では難治性てんかんとなることがあります。適切な薬物療法、必要に応じてケトン食療法や外科的治療を組み合わせることで、多くの患者さんで発作のコントロールが可能です。
- 保険は適用されますか?
- 当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
- 結果はどのように説明されますか?
- 検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
- 子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
- 遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。常染色体劣性遺伝の場合は保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%、常染色体優性遺伝の場合は患者さんのお子さんが発症する確率は50%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
- 発達の予後はどうですか?
- 多小脳回症の予後は、影響を受けている脳の範囲と部位によって大きく異なります。片側性の限局性病変を持つ患者さんの中には、正常またはほぼ正常な発達を示す方もいます。一方、両側性の広範囲な病変を持つ患者さんでは、重度の知的障害や運動障害が残ることがあります。早期からの療育プログラムや適切なリハビリテーションにより、多くの患者さんで生活の質を改善することが可能です。
- 他の医療機関での検査との違いは何ですか?
- 当院では臨床的に重要な7つの原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。
プロフィール
この記事の筆者:仲田洋美(医師)
ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。
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